出会いはバイト先のキャバクラ。
私は店長の修史さんが好きでした。
修史さんは28歳で私より8歳年上で、お店のナンバーワンの梨花さんと付き合っていました。
もちろんキャバクラで従業員と女の子が付き合うのは禁止なのですが、色恋に厳しい店ではなかったので、みんな黙認していました。
私は当時お店に入ったばかりの新人で、修史さんは私を気にかけてよく話を聞いてくれたのです。
「嫌なお客さんとかいたら言ってね。」
「無理してお酒飲まなくていいからね。」
指名を取るとほめてくれ、私は嬉しくて毎日頑張りました。
私が入って半年後。
梨花さんが店をやめることになりました。
そして、修史さんも。
二人で田舎に帰って昼間の仕事を始めるとのことでした。
私は笑顔で二人を見送ろうと心に決めたのです。
そして最後の日。
梨花さんは先に帰り、店には店長の修史さんと、ラストまで指名のお客さんがいた私の二人だけになりました。
修史さんは電卓をたたきながら「お前、よく頑張ったな。梨花がやめたらお前がこの店のナンバーワンだから。これからも頑張ってな。」と言ってくれたのです。
私は言葉につまり、笑顔で見送ろうと思っていたのに、涙があふれてきました。
修史さんは顔をあげ、驚いたように「どうしたんだよ。」とそばに来てくれました。
「好きなんです・・・。」我慢できずに言った私を、セフレは抱きしめたのです。
「お前は可愛いな。
ずっと可愛いと思ってた。
ごめんな。」
キスは私からしました。
最初で最後でいいから、今だけは二人きりで過ごしたかったのです。
二人で手をつないで近くのホテルに行きました。
「梨花と会う前にお前に出会いたかったな。」セフレは何度も謝ってくれましたが、私は幸せでした。
次の日、修史さんと梨花さんは修史さんの実家がある岩手へと出発したそうです。
私はその後お店で素敵な人と出会い、半年後に店をやめて付き合い始めました。
今でも二人が幸せに暮らしている事を願っています。